学級活動(2)とは何ですか?-3-

(2024.7)

【小学校先生たちの特活お助け玉手箱 連載8回目】

登場人物紹介

校長先生

特別活動のことなら、
なんでも来い!
知る人ぞ知る、伝説の特別活動名人。

ユメ先生

憧れの小学校教諭になったばかり。
元気とやる気でいっぱいの新人先生。

今回のお助け事案:学級活動(2)[本時の進め方]を知りたい!

♪〜〜〜

お、ユメ先生、ご機嫌ですね!

はい!
先日校長先生に教えていただいた通り、
アンケートとワークシートをやってみたんです。
来週がいよいよ本時なんですが、
子どもたちの気持ちが高まってる手応えがあるので
もう、楽しみで仕方なくて。

それはいいですね!

ところで、本時の進め方は
どんな計画になっていますか?

以前教えていただいた特別活動の指導資料を参考にしながら
考えているのですが・・・

校長先生、もしお時間あれば
ご指導いただくことはできますか?

もちろんいいですよ。
さっそく拝見しましょう!!

やった!
よろしくお願いします!!

「本時の活動」の4段階とは?

指導資料に出ている4段階というのは、この図のことですよね?
「つかむ」「さぐる」「見つける」「決める」という4段階の。

特別活動指導資料 小学校編(文部科学省 国立教育政策研究所教育課程研究センター 発行)より抜粋

はい!そうです!

この図を見れば、なるほど〜とは思うんですけど
実は、子供たちが活動している様子がうまくイメージできなくて
迷ってしまうところがあるんです。

「つかむ」は、アンケートやワークシートを既に実施しているので
子どもたちもそれぞれに考えて、話合ってみたいことがあると思いますし
「決める」というのも、具体的な目標を決めるとかイメージが湧くんですが
真ん中のところが少し・・難しいというか・・

ああ〜 なるほどね!
ユメ先生、頑張っていますね〜!

それでは、整理のために、もう少し大きな枠組みで考えてみましょうか。

たとえば、本時の活動を「解決方法の話合い」と「解決方法の決定」という
2段階に分けて整理するとしたら、どうなりそうですか?

え!「解決方法の話合い」と「解決方法の決定」ですか?!

ええっと、まず、[決める]は、「解決方法の決定」だと思います。
説明に「個人目標の意思決定」とありますから。

でも、じゃあ、他の3つは全部「解決方法の話合い」・・?? 
んんんんん・・・????

悩んでますね〜
では、解説です。

はい!お願いします!

[つかむ][さぐる]は、「解決方法の話合い」

まず、「解決方法の話合い」は、[つかむ][さぐる]の場面です。

[つかむ」は、題材として示された問題について、
今の状況はどうなのか、どうしてこの問題が生じているのか、
解決しなければならないのはどうしてか、
どのような姿を目指すのかなど、
問題の背景について一人一人の子供が捉える段階です。
事前の活動で提示した資料を活用することもあります。

なるほど!
[つかむ]は、「問題の背景について、一人一人の子供が捉える段階」。
事前に準備したアンケートやワークシートも活用すると効果的なんですね。

そうですそうです。

そして、[さぐる]は、
問題の背景を受け止め、どのような解決方法があるのか、
その解決方法は実践することができるのか、
その解決方法で効果が期待できるのかなどについて
話し合う場面です。

あ、そうか!

その問題が起きている原因と
どんな点が問題なのか、
どうしたら改善できたことになるのかがわからなかったら、
解決方法を考えることができませんよね。

そう!そういうことです。
ユメ先生、わかってきましたね!

はい。
話合いのイメージも湧いてきました。
子供たち、みんな真剣になりそうです!

[見つける][決める]は、「解決方法の決定」

と、なると、[見つける][決める]という段階が
「解決方法の決定」ということですよね?

はい。そうです。

この段階では、集団思考を通して、問題を解決する具体的な方法が出されます。
そして、一人一人の子供が自分の課題を解決する方法を決めたら
事前に配布したワークシートに意思決定したことを記入します。

校長先生、質問です!

子供によって、問題の内容や程度や目標は違ってくると思うんですが
具体的な解決方法は、一人ずつ違ってもいいのですよね?

お!いい質問ですね!

もちろん違っていいですよ。
子供たちは、それぞれ、集団思考で出された解決方法を参考としながら
自分の問題の内容、程度、目指すところを基に、
自分にとっての、よりよい解決方法を見つけます。

やっぱりそうですよね!

と、いうことは・・・
この段階になったら、個別の指導助言が必要な状況も
ありそうな気がしますが、どうでしょうか?

おお!またまた、いい質問です!

その解決方法で、その子が自分の課題を解決する見通しをもてているのか、
具体的な手立てを設定できているのか。
この段階では、個に応じた指導助言が求められますね。

ありがとうございます!
よくわかりました!

それでは、今回も秘伝のメモを差し上げましょう。
参考にしてみてください。

おお〜!
わかりやすいです!
ありがとうございます。

よかったです。

では、次回は
「事後の活動」について触れていきましょうか。

やった〜!
どうぞよろしくお願いします!

(監修:一般財団法人 総合初等教育研究所 室長 福田 俊彦)

〜本連載について〜

日本式の学校教育が世界から注目される特長に、全人的な教育を行うことがあると言われます。
特に、その象徴的な役割を担っているのが「特別活動」です。
学習指導要領によれば、特別活動は「様々な構成の集団から学校生活を捉え、課題の発見や解決を行い、よりよい集団や学校生活を目指して様々に行われる活動の総体である」とされており、「なすことによって学ぶ」ことを方法原理としながら、各学校で特色ある取組が進められています。
また、複雑で変化の激しい社会の中で求められる能力を育成するという視点からも、特別活動に期待される役割は、今後ますます大きくなっていくと予想されます。特別活動で育成を目指す資質・能力の重要な要素であり、学習過程においても重要な意味をもつ3つの視点である「人間関係形成」「社会参画」「自己実現」は、各教科等で育成する資質・能力とも様々に関わっており、実際の社会で生きて働く汎用性もあるからです。

そんな特別活動の授業名人になれるヒミツをお伝えするのが、本連載です!

名付けて「小学校先生たちの特活お助け玉手箱」。
一般財団法人 総合初等教育研究所 室長で、元・全国特別活動研究会 会長の、福田 俊彦 先生の監修でお届けしています。

特活お助け玉手箱 バックナンバー

「学級会の進め方がわかりません

1 学級会の進め方
2 学級会の議題を、どうやって見つけるか?
3 学級会が終わらない?折り合いつつ合意形成に向かう話合い
4 合意形成する話合いの方法は?
5 実践の段階に効果的な支援とは?

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