モンシロチョウ飼育の記録

(2021.5)

理科教材の編集部では、授業で扱う生き物の栽培や飼育、実験等を行なっています。
今回は、モンシロチョウをたまごから育てて、羽化に成功させたそうです。
さっそく、詳しい話を取材しました!

今日は、学校教材の編集部で面白い取組をしていると聞いてやってきました!
どうぞよろしくお願いします!

こんにちは!編集部の理科チームです。
私たち理科チームでは、教材の企画・制作業務の傍ら、理科の授業で扱う生き物の栽培や飼育、実験等を行っています。

へえ〜! 栽培や飼育、実験を?!
それは、どういう考えからなんですか?

「制作する教材の質の向上に繋げたい!」という思いからです。
より良い教材を作るために、自然の事物・現象を自ら体感していくのが、とても大切だと考えています。

なるほど!
それで、今回は、どんな活動をしたのですか?

今回は、モンシロチョウをたまごから育て、羽化に成功しました。
飼育の記録を紹介しますね!

モンシロチョウ飼育日記

★4月13日(火)

キャベツ畑で発見したたまごを、編集部に持ち帰ってきました。
モンシロチョウは、幼虫からだと、既にアオムシコマユバチ等に寄生されている可能性があるので、たまごから育てるのです。

すでにだいぶ黄色くなっているので、孵化が近そうです。

★4月15日(木)

幼虫が孵化しました。
孵化したたまごの「から」を食べています。

生まれたばかりの幼虫は、黄色くてとても小さく、肉眼でなんとか見えるくらいの大きさです。

★4月19日(月)

すっかり体が緑色になりました。
体長は3〜4mm。肉眼でも見つけやすくなりました。

ここから、2〜3日おきに大きさを記録していくことにします。

★4月21日(水)

大きさ5mm

★4月23日(金)

大きさ9mm

キャベツをたくさん食べて、どんどん成長しています。
体が大きくなるにつれて,ふんも大きく,数も増えていきました。

★4月26日(月)

大きさ15mm

★4月28日(水)

大きさ18mm

★4月30日(金)

GW中は、自宅に持ち帰って観察を続けます。
大きさは25mmになりました。


ここ数日、虫かごの中を元気よく動き回っていましたが、かごの側面に登ったまま動かなくなりました。

これは、さなぎになりそうな予感!

★5月2日(日)

2日かけて、無事にさなぎになりました。
ただ、教科書の写真に比べてかなり茶色いような……

少し心配ですが、このまま何事もなく成長してくれることを祈ります。

★5月10日(月)

幼虫からさなぎになって、約1週間。
体から羽の形が透けて見えるようになりました。

ちゃんと成虫になる準備が進んでいる証拠ですね。

★5月11日(火)

朝,出社すると、昨日よりさらに羽の模様がしっかり見えるようになっていました。

そろそろ羽化も近いのでは?
と思いながら虫かごを隣に置いて仕事をしていると……

いつの間にか、虫かごの中に成虫が!

羽化の瞬間は残念ながら逃してしまいましたが、羽もきれいに伸ばすことができました。
無事に羽化できてよかった!

その後は、天気もよかったので、会社近くの公園に放ちました。
元気でね!!

飼育日記、ドキドキしながら読みました。
無事に羽化させることができて、よかったですね!

実際に飼育して気づいたことなどあったら、ぜひ教えてください。

新たな発見がいくつもありましたよ!

幼虫が食べるキャベツの色の濃さによってふんの色が変わること。
キャベツの外側の柔らかい葉は好んで食べるけれども、内側の固い葉はあまり食べようとしないこと。
さなぎになる直前の幼虫は、体を縮めること。
羽化する前のさなぎは、ときどき体が動くこと。

それから、中には、上手く羽化できなくて、羽が開ききらない個体もいたんです。

羽が開ききらないなんてこともあるんですね!
その個体は、どうしたんですか?

うまく羽化できなかった成虫は、大きい洗濯ネットの中に入れて、現在も飼育中です。
えさはスポーツドリンクを水で薄めたものを与えており、今のところは問題なく元気に過ごしています。

写真のチョウは,左右の羽の大きさが違うため、うまく飛ぶことができません。

実際にモンシロチョウを飼育してみたことで、教科書には載っていないような、
発見がたくさんありました。

今回の飼育・観察で得た学びを、これからの教材制作に生かしていきたいと思います!

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