学級活動(2)とは何ですか?-4-
(2024.8)
【小学校先生たちの特活お助け玉手箱 連載9回目】
登場人物紹介
校長先生
特別活動のことなら、
なんでも来い!
知る人ぞ知る、伝説の特別活動名人。
ユメ先生
憧れの小学校教諭になったばかり。
元気とやる気でいっぱいの新人先生。
今回のお助け事案:学級活動(2)[事後の活動]について知りたい!
それでは、学級活動(2)の「事後の活動」について
お話していきますね。
お願いします!!
「事後の活動」とは、もちろん
自分で意思決定したことを実践する段階ですが・・
ここで注意すべきことは、なんだと思いますか?
う〜〜ん・・・そうですね・・・
やりっぱなしにさせないことでしょうか?
決めたことをやって、ハイおしまい、
というだけになってしまっては
せっかく話し合うのに、残念な気がします。
はい、正解です!
「単に決めたことをする」というのが
目的になってしまわないように留意する必要があります。
では、そのためには、子供たちに、どんな視点を
もたせるようにすればいいと思いますか?
ええっと・・・
解決方法は、一度決めても変えていいっていうか
むしろ、ブラッシュアップしていくものなんだよ、
ということかと思います!
そう!その通り!
解決方法やめあては一度決めたら変えないというのではなく、
意思決定したことの具現化に向けて、
その時々に子供が状況を振り返り改善していくのが大切です。
それにね。
うまくいかない、解決されたなどのことから、
新たな解決方法を決めて実践することは、
次の新たな課題解決にもつながっていくものなんですよ。
子供たちに大事な力を育むことになりますね・・・
あ!
では、ワークシートに振り返りを記入できる欄を
作っておいた方がいいかもしれないですね?
おお、さすがユメ先生!いい発想ですね〜!
ワークシートが便利なのは、
事前から解決方法を決めるまでの思考過程を見渡すことができる点です。
これにより、子供達は、より問題を自分の課題として
捉えることができるようになるわけです。
それに加えて、振り返りを記入する欄を作っておくと、
実践をしながら振り返りをすることができますから
意思決定したことを捉え直すのが子供に理解しやすくなりますね。
自分自身の記録としてだけでなく、
タブレットで友達と共有させるのも、面白そうな気がします!
ユメ先生、冴えてますね〜!!
自分の実践の状況を友達と共有することで、
よりよい解決方法を見いだせる場を設けるわけですね。
事後の活動の段階では、
振り返りの場をどのように設けるかということも大切になってきます。
子供の経験や題材の内容などに基づく振り返りができる手立てのアイデア、
いろいろ工夫してみてくださいね。
はい!やってみます!!
では、今回も秘伝のメモを差し上げましょう。
期待していますよ、ユメ先生!
わ〜!!すごくわかりやすいです!
ありがとうございます。
がんばります!!
オマケ:校長先生のツブヤキ〜学級活動(2)の全体図
ユメ先生の授業、楽しみですね〜!
では、読者のみなさんへのオマケとして、学習活動(2)の全体図をプレゼントします!
学級活動(3)「一人一人のキャリア形成と自己実現」の学習過程としても同じ考え方が使えますよ。
ぜひ参考にしてください!
(監修:一般財団法人 総合初等教育研究所 室長 福田 俊彦)
〜本連載について〜
日本式の学校教育が世界から注目される特長に、全人的な教育を行うことがあると言われます。
特に、その象徴的な役割を担っているのが「特別活動」です。
学習指導要領によれば、特別活動は「様々な構成の集団から学校生活を捉え、課題の発見や解決を行い、よりよい集団や学校生活を目指して様々に行われる活動の総体である」とされており、「なすことによって学ぶ」ことを方法原理としながら、各学校で特色ある取組が進められています。
また、複雑で変化の激しい社会の中で求められる能力を育成するという視点からも、特別活動に期待される役割は、今後ますます大きくなっていくと予想されます。特別活動で育成を目指す資質・能力の重要な要素であり、学習過程においても重要な意味をもつ3つの視点である「人間関係形成」「社会参画」「自己実現」は、各教科等で育成する資質・能力とも様々に関わっており、実際の社会で生きて働く汎用性もあるからです。
そんな特別活動の授業名人になれるヒミツをお伝えするのが、本連載です!
名付けて「小学校先生たちの特活お助け玉手箱」。
一般財団法人 総合初等教育研究所 室長で、元・全国特別活動研究会 会長の、福田 俊彦 先生の監修でお届けしています。
特活お助け玉手箱 バックナンバー
「学級会の進め方がわかりません」
1 学級会の進め方
2 学級会の議題を、どうやって見つけるか?
3 学級会が終わらない?折り合いつつ合意形成に向かう話合い
4 合意形成する話合いの方法は?
5 実践の段階に効果的な支援とは?