学級活動(2)とは、何ですか? -2-

(2024.7)

【小学校先生たちの特活お助け玉手箱 連載7回目】

登場人物紹介

校長先生

特別活動のことなら、
なんでも来い!
知る人ぞ知る、伝説の特別活動名人。

ユメ先生

憧れの小学校教諭になったばかり。
元気とやる気でいっぱいの新人先生。

今回のお助け事案:学級活動(2)の進め方を知りたい!

それでは、さっそく学級活動(2)の進め方に入りましょう。

ユメ先生、学習を始めるにあたり
学級会と学級活動(2)の大きな違いって
何だと思いますか?

えっ・・・ええっと
何だろう・・・?

ヒントは、議題です。
学級会の場合は、子どもたちが生活上の問題として
見出した題材を議題にしますよね。

あ!わかりました。

子どもたちの問題意識が違います。
学級会は、子ども自身が見出した生活上の問題を話し合いますが
学級活動(2)は教師の側で年間指導計画上に題材を設定していますから
子どもの中には、話合いの必要性をそれほど感じていない子も、いるかも
しれないんです。

そう!正解です!

では、だとしたら、学級活動(2)は
どういう始め方をする必要がありそうですか?

う〜〜〜〜〜〜〜ん
 
もしかして、事前に問題意識を共有すること、でしょうか?

またまた大正解!!

学習活動(2)は、どの子にも共通する、よりよい生活を築いていくために
改善や向上を図っていくべき問題を題材に設定します。
そこで、事前の指導として、その問題を「自分の問題」であると捉えて、
一人一人が解決を図っていこうとする気持ちを高めていく必要があります。

だから、学級活動(2)では、事前の活動として、
授業で取り上げる題材をあらかじめ子どもたちに伝えて
問題意識を共有することが必要なんです。

ユメ先生、やりますね〜!

やった〜!

では、具体的な手立てについては、どうでしょう?

曖昧に捉えている問題をより明瞭に、的確に捉えることができるようにするため、
現状の把握や、解決に向けた見通しがもてるものだといいですよ。

何かイメージできそうですか?

具体的な手立ては・・そうですね・・・えーっと

子どもたちにアンケートをとるというのは、どうでしょうか?

インフルエンザになったことがあるかとか、
予防のために何か気をつけていることがあるかなどを質問して
まとめたものを結果を教室に掲示したり、
子どもたちから出された意見をタブレット上で共有できるようにしたら、
関心が高まるのではと思うんですが。

うんうん!いいと思いますよ。

問題の背景や原因、現状等に関わる資料としてアンケートをとり、
その結果を提示するのはいい方法です。

さらに、個々の子供が問題意識を高め、
自分のこととして話合いに取り組めるようにするためには
ワークシートも用意するといいですよ。
事前の活動、本時の活動、事後の活動を一面で見通せるような形に作り、
子どもが自分の考えや、意思決定したことを記入するのです。

なるほど、ワークシートですか!
ありがとうございます!!
早くやってみたくてウズウズしてきました!

さすがユメ先生ですね!!

では、さっそく秘伝のメモを差し上げましょう。
頑張ってくださいね。

ありがとうございます!

よーし、やるぞ〜〜〜〜〜!!

(監修:一般財団法人 総合初等教育研究所 室長 福田 俊彦)

〜本連載について〜

日本式の学校教育が世界から注目される特長に、全人的な教育を行うことがあると言われます。
特に、その象徴的な役割を担っているのが「特別活動」です。
学習指導要領によれば、特別活動は「様々な構成の集団から学校生活を捉え、課題の発見や解決を行い、よりよい集団や学校生活を目指して様々に行われる活動の総体である」とされており、「なすことによって学ぶ」ことを方法原理としながら、各学校で特色ある取組が進められています。
また、複雑で変化の激しい社会の中で求められる能力を育成するという視点からも、特別活動に期待される役割は、今後ますます大きくなっていくと予想されます。特別活動で育成を目指す資質・能力の重要な要素であり、学習過程においても重要な意味をもつ3つの視点である「人間関係形成」「社会参画」「自己実現」は、各教科等で育成する資質・能力とも様々に関わっており、実際の社会で生きて働く汎用性もあるからです。

そんな特別活動の授業名人になれるヒミツをお伝えするのが、本連載です!

名付けて「小学校先生たちの特活お助け玉手箱」。
一般財団法人 総合初等教育研究所 室長で、元・全国特別活動研究会 会長の、福田 俊彦 先生の監修でお届けしています。

特活お助け玉手箱 バックナンバー

「学級会の進め方がわかりません

1 学級会の進め方
2 学級会の議題を、どうやって見つけるか?
3 学級会が終わらない?折り合いつつ合意形成に向かう話合い
4 合意形成する話合いの方法は?
5 実践の段階に効果的な支援とは?

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