学級活動(2)とは、何ですか?

(2023.12)

【小学校先生たちの特活お助け玉手箱 連載6回目】

登場人物紹介

校長先生

特別活動のことなら、
なんでも来い!
知る人ぞ知る、伝説の特別活動名人。

ユメ先生

憧れの小学校教諭になったばかり。
元気とやる気でいっぱいの新人先生。

今回のお助け事案:インフルエンザ予防の意識を高めさせたい!

校長先生!相談に乗ってください!
ちょっと気になっていることがあって・・

お、ユメ先生。
今日はどうしましたか?

インフルエンザの流行で、近くの学校でも
学級閉鎖になったところがあると聞きました。
それで、自分の学級の子たちに、
予防の意識を高めさせたいなと思うんです。

うん、なるほど?

「健康な生活」については保健の時間で既習なんですが
もっとこう・・・えーっと・・

子供たち一人一人が、そのことを
「自分ゴト」として考えたり行動したり
できるようになってほしい、ということ?

あ!!そうです!それです!!

たとえば、換気や、手洗い・うがい、ハンカチやティッシュの持参なども
なんとなく人に言われたからやってる感じの子が多い気がするんです。

フムフム。
学習した知識を
自分の実際の生活と結びつけて考えることに、
課題のある子が目につくんですね。

ユメ先生、子供たちをよく見ていますね!
いいですよ!

わ!ありがとうございます!

それで、迷っていることというのは・・・?

はい。
年間指導計画を立てた時点で、このことについて、
学級会の時間で扱うよう位置付けてはいたんですが・・・

いざやろうと思ったら、
子供たちから議題の提案があったわけでもないし
みんなで何かを決めて協力するというのも違う気がするし
どうしたらいいか、わからなくなってしまって・・・

ああ、なるほど。

つまり、「学級活動(2)」の進め方が
よくわからないのですね。

え・・・
「学級活動(2)」・・・ですか??

学級会、つまり、学級活動(1)では、
子供たちが見いだした生活上の問題から、
子供たちが話し合って合意形成したことを実践できる課題を
議題として選定しますよね。

学級活動(2)は、
日常の生活や学習への適応と自己の成長及び健康安全に関するもので、
1人1人の子供にとっての問題であると同時に、
学級全体で共通して解決すべき問題を題材として選定するのです。
題材は、年間を見通した上で、子供たちの学校生活の状況から
必要とされる課題について年間指導計画に位置付けます。

なるほど・・・!
つまり、これは「学級活動(2)」なので
「学級活動(1)」とは違う進め方を
考えないといけないということなのですね。

(だからわからなかったのかぁ・・・)

そうそう。そうです。
では、まず、学習指導要領の記述を見てみましょうか。

このように、学習指導要領には、学級活動(2)に関する内容として、
次のようなものが挙げられています。

ア 基本的な生活習慣の形成
イ よりよい人間関係の形成
ウ 心身ともに健康で安全な生活態度の形成
エ 食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい食習慣の形成

すると、インフルエンザの予防に関することであれば
「ウ 心身ともに健康で安全な生活態度の形成」
に当たるというわけですね!
よくわかりました!!

1つ解決できて、よかったですね。

では、次回は、学習活動(2)の進め方について
一緒に見ていきましょう。
保健の時間の話がありましたから、
他教科との関連についても触れますね。

やった!
校長先生、どうぞよろしくお願いします!!

(監修:一般財団法人 総合初等教育研究所 室長 福田 俊彦)

〜本連載について〜

日本式の学校教育が世界から注目される特長に、全人的な教育を行うことがあると言われます。
特に、その象徴的な役割を担っているのが「特別活動」です。
学習指導要領によれば、特別活動は「様々な構成の集団から学校生活を捉え、課題の発見や解決を行い、よりよい集団や学校生活を目指して様々に行われる活動の総体である」とされており、「なすことによって学ぶ」ことを方法原理としながら、各学校で特色ある取組が進められています。
また、複雑で変化の激しい社会の中で求められる能力を育成するという視点からも、特別活動に期待される役割は、今後ますます大きくなっていくと予想されます。特別活動で育成を目指す資質・能力の重要な要素であり、学習過程においても重要な意味をもつ3つの視点である「人間関係形成」「社会参画」「自己実現」は、各教科等で育成する資質・能力とも様々に関わっており、実際の社会で生きて働く汎用性もあるからです。

そんな特別活動の授業名人になれるヒミツをお伝えするのが、本連載です!

名付けて「小学校先生たちの特活お助け玉手箱」。
一般財団法人 総合初等教育研究所 室長で、元・全国特別活動研究会 会長の、福田 俊彦 先生の監修でお届けしています。

特活お助け玉手箱 バックナンバー

「学級会の進め方がわかりません

1 学級会の進め方
2 学級会の議題を、どうやって見つけるか?
3 学級会が終わらない?折り合いつつ合意形成に向かう話合い
4 合意形成する話合いの方法は?
5 実践の段階に効果的な支援とは?

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