「学習指導要領コード」って何に使うの?

(2020.10)

「学習指導要領コード」って何に使うの?

10月16日に文部科学省は「教育データ標準(第1版)」を公開しました。
これは、教育データの枠組みを提示するとともに、学習内容の情報の基盤となる学習指導要領にコードを付与したものです。「GIGAスクール構想」により1人1台端末の整備が加速する中、教育データの収集・利活用に注目が集まっています。
そこで、今号では「教育データ利活用」に関する最新の審議の状況をお伝えします。

学習指導要領コードとは?

学習指導要領の総則や各教科等の全内容に対し、学校種や教科、学年など一定のルールに基づく16桁の数字を機械的に割り振ったものです。
例えば[小学校6年社会/3内容の取扱い/(2) 内容の(2)については次のものを取り扱う/ウ 〜略〜 織田信長]であれば、学習指導要領コードは「8220265232000000」となるとのことです。

学習指導要領コードは教科書と教材を連携させる。

文部科学省の説明によれば、コードは、人が読める場所に表示するものではなく、デジタル教科書などのコンテンツ中に埋め込まれ、端末内・サーバ内やインターネットで関連情報を探す際に、該当する内容を自動的に検索条件として追加させる働きをするとのことです。インターネット上には有害情報も存在しますが、このコードを基にすることで、検索した際、学習指導要領に沿う情報が自動表示されることとなります。文部科学省発表の資料には、子供がデジタル教科書のページにタッチするだけで、内容に関連するデジタル教材や博物館等のアーカイブが自動的に表示される様子が示されています。

文部科学省ホームページ「学習指導要領コードについて(文部科学省「教育データ標準」(第1版)の公表)」より

文科省では、これにより、カリキュラム・マネジメントの推進や、指導資料や副教材のデータベース化、教員研修等への活用など、多くの効果が期待できるとしています。

「教育データ利活用」の議論は?

文部科学省は、今年7月「教育データの利活用に関する有識者会議」を設置し、教育データの効果的な利活用に関する専門的な審議を開始しました。
この会議は、児童生徒1人1台端末環境の実現に向けた取組が進められる中、誰一人取り残すことなく、全ての子供たちの力を最大限に引き出すこと資することを目的とし、主に、①教育データの標準化について ②学習履歴(スタディ・ログ)の利活用について ③教育ビッグデータの効果的な分析・利活用について ④その他 という課題について、今年度を目処に審議を進めることとなっています。
また、10月に政府の教育再生実行会議に設置された「デジタル化タスクフォース」ワーキンググループにおいても、教育データ利活用について審議されることとなっています。

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