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今後の教育課程、学習指導及び学習評価等の在り方に関する有識者検討会(第2回)

(2023.2.2)

○令和5年2月2日に「今後の教育課程、学習指導及び学習評価等の在り方に関する有識者検討会(第2回)」が行われました。

・この専門会議は、現行の学習指導要領の下での子供たちの学習の状況や学校における学習指導の状況等を踏まえつつ、今後の社会の変化を適切に見据えながら、今後の教育課程や学習指導及び学習評価等の在り方について必要な検討を行うことを目的として設置されました。

具体的な検討事項は以下の3点です。

(1)学習指導要領の実施状況について
(2)これからの子供たちが学ぶ学校像及び生き抜く社会像について
(3)今後の教育課程、学習指導及び学習評価の在り方について

・座長には、千葉大学の天笠 茂名誉教授、座長代理には、上智大学総合人間科学部の奈須正裕教授と、学習院大学文学部の秋田喜代美教授が就任されています。

・第1回目の会合は令和4年12月22日に開催されました。

○第2回目の議題は、以下の通りです。

(1)これからの社会像について
(2)その他

・会議資料として、以下の3点が配布されました。

 資料1:現行学習指導要領の改訂の背景等について
 資料2:広井良典氏御紹介資料
 資料3:広井良典氏提出資料 (「未来社会のデザイン―AI と超長期の歴史把握の視点から」)

 ※資料リンク https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/2022/mext_00019.html

○会議冒頭に、検討のための前提として、事務局より配布資料1「現行学習指導要領の改訂の背景等について」の説明がありました。

・まず、現行学習指導要領が踏まえている、近未来の予想と現状についての説明がありました。

(文部科学省ホームページより)

・平成28年の中央教育審議会答申「「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」の「第2章 2030年の社会と子供たちの未来」で指摘されている通り、社会の変化は加速度を増し、複雑で予測困難なものとなっている。

・我が国に関しては、深刻な少子化・高齢化の進行と共に、国際的な存在感も徐々に下がりつつある。

・そこで、同答申では、以下の7項目を「現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力」として整理した。

  • 健康・安全・食に関する力
  • 主権者として求められる力
  • 新たな価値を生み出す豊かな創造性
  • グローバル化の中で多様性を尊重するとともに,現在まで受け継がれてきた我が国固有の領土や歴史について理解し,伝統や文化を尊重しつつ,多様な他者と協働しながら目標に向かって挑戦する力
  • 地域や社会における産業の役割を理解し地域創生等に生かす力
  • 自然環境や資源の有限性等の中で持続可能な社会をつくる力
  • 豊かなスポーツライフを実現する力

・さらに、令和4年に発表された「令和の日本型学校教育」の構築を目指して(答申)」では、以下のような指摘が行われた。

・一人一人の児童生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き,持続可能な社会の創り手となることができるよう、その資質・能力を育成することが求められる。

・国際的な動向からは、SDGsなどを踏まえ、地域や地球規模の諸課題について子供一人一人が自らの課題と考え、持続可能な社会づくりにつなげていく力を育むことが求められている。

・予測困難な時代に際して、答えのない問いにどう立ち向かうのかが問われている。目の前の事象から解決すべき課題を見いだし、主体的に考え、多様な立場の者が協働的に議論し、納得解を生み出すことなど、新学習指導要領で育成を目指す資質・能力が一層強く求められる。

・新型コロナウイルス感染拡大により、デジタル化、オンライン化が大きく促進した。社会全体のDX加速に伴い、ICTが必要不可欠なものであることを前提に、学校教育の在り方を改めて検討する必要がある。

○続けて、京都大学 人と社会の未来研究院 広井良典教授より、「未来社会のデザイン -AIと超長期の歴史把握の視点から-」と題する講演があり、意見交換が行われました。

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