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教科書・教材・ソフトウェアの在り方ワーキンググループ(第4回)

(2022.7.19)

○令和4年7月19日に教科書・教材・ソフトウェアの在り方ワーキンググループ(第4回)が行われました。

・議題は、以下の通りです。

(1)平川委員御発表
(2)個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた教科書・教材・ソフトウェアの在り方について
(3)その他

議題(1) 平川委員ご発表「広島県の取組 〜個別最適な学びの実現に向けて〜」

平川 理恵 委員(広島県教育委員会教育長)より、ICTにより実際に授業の変容が起きた事例として、広島県での先進的な取組についての発表が行われました。

●廿日市市立宮園小学校「自由進度学習」

・子供たちが、学習計画表に基づき、自分のペースで教科内容を学び進める学習方法。
・教師は、子供たちの自立学習が成立するよう、学習材や学習環境を整える。

福山市立常石ともに学園「ブロックアワー」「ワールドオリエンテーション

「ブロックアワー」=自立学習・基礎学習

・子供自身で1週間の学習計画を立て、自分で学び続ける力を身に付ける。
・自立学習の方法は、教科書、プリント、AIドリル(キュビナ)、個人プロジェクト等、多様。インストラクションとして教師と一緒に学ぶ場面もある。個別に自分のやりやすい方法で学ぶ。

「ワールドオリエンテーション」=協働学習・総合学習

・生きた本物の題材から問いを見出し、探究し続ける力を付ける。
・教科や学年の枠を超え、異年齢集団で本物の問いと向き合いながら協働的に探究する。

SCHOOL“S”

・不登校児童生徒を支援する県の教育支援センター。
・「児童生徒(Students)が自分で選んだ(Select)、 秘密基地(Secret)のようにワクワクする、特別な(Special)場所(Space)」の頭文字を繋げて命名。
・児童生徒の個々の状況に応じた学びを支援するため、認定特定非営利活動法人カタリバと連携・協力。

意見交換

・せっかくデジタルを使っても「デジタル一斉授業」では意味がない。これまで紙であったものを単にデジタルに置き換えるのではなく、授業が変わることが重要。
・自由進度学習的な授業がカリキュラム全体の2割程度あると、学校全体が大きく変わってくる。具体的には6時間のうち1時間は子供たちが主体的に進める授業をするというイメージになる。
・デジタルを活用するようになると、一斉授業は、逆にやりにくくなる印象がある。
・教科書は、紙もデジタルも両方用意されていることが子供たちの自由な学び方のために重要。

・デジタル教材のバリエーションについてはどう考えるか?という質問に対しては、個人負担となるため、資金面での課題があると述べられていました。

議題2個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた教科書・教材・ソフトウェアの在り方について

はじめに、令和4年度の「学習者用デジタル教科書の効果・影響等に関する実証研究事業」において、今年度にデジタル教科書を導入している学校の一部教師を対象として行ったアンケート調査の結果につき、事務局より説明がありました。

1) 令和4年度のデジタル教科書実証事業における中間アンケートの結果(速報)について

まず、教科別のシェアについては、小学校・中学校とも英語での利用が圧倒的に多く、国公立では、ほぼ100%の学校が英語を採用していたとのことです。

また、英語以外では、算数・数学が最も多いことがわかりました。 

(文部科学省ホームページより)

採用したデジタル教科書の利用時間では「使わない週もある」という回答が49%で最も多く、「週に30分以上」という回答が35%でした。

しかし、過年度に使用経験のある教師に限定すると、「使わない週もある」という回答は33%に減少し、逆に、「週に60分より長い」という回答が27%となるなど、利用経験のある先生方と、そうでない先生方では利用時間に差があることが明らかになりました。

(文部科学省ホームページより)

さらに「主体的・対話的で深い学び等との関係」についての調査として、教師のデジタル教科書の「使用頻度」と児童生徒の「主体的な学び」や「対話的な学び」等に関する項目についてクロス集計を行った結果、使用頻度が高くなるほど、肯定的な回答の割合が高くなることがわかりました。

(文部科学省ホームページより)

2)意見交換、協議

デジタル教科書実証事業のアンケート結果と事務局が作成した叩き台をもとに、令和6年度に予定しているデジタル教科書本格導入を円滑かつ効果的に実施するために必要な以下の論点につき、意見交換と協議が行われました。

●論点
○どの教科・学年から段階的に導入すべきか
○紙の教科書とデジタル教科書の在り方はどうあるべきか(教科書以外の教材も含めた視点で)
○個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させ、学習指導要領が育成を目指す資質・能力を子供たちに育む【先導的な実践事例】を全国に広げていくためには、何が必要なのか?

●主な意見

○どの教科・学年から段階的に導入すべきか

・「教科・学年で段階的な導入」とあるが、英語については全面的に導入することを考えてもいいのではないか。
・英語以外では、算数・数学へのニーズが高い。プログラミング学習とデジタル教科書も相性がいいように思う。学習の系統性を考えると優先的に考えてもいいのではないか。
・どの教科というのは、学びの姿により違う。本校では英語と理科で使っている。


○紙の教科書とデジタル教科書の在り方はどうあるべきか

・デジタル教科書、デジタル教材、学習支援ソフトウエアとは、それぞれ何を指すのかという点についてイメージの共有と用語の統一が必要。
・教材は多様なものがある。デジタルとアナログのベストミックスを探りたい。
・「通信負荷等の軽減の観点から、音声・動画データの配信の分離等によって、コンテンツの軽量化やビューアの画面表示(転送方法)をテキスト配信方式などへ変更」とあるが、印刷用に作成されたデータからデジタルデータ用のテキストを作るのは難しい。特に令和6年度に関しては既に提出済みなので、従前通りの方式とさせてほしい。
・「シンプルで軽いもの」とあるように、直近のデジタル教科書は軽いものがいいと思うので、あまりいろいろなものを詰め込むことはできないと思う。
・デジタル教科書だけでなく、紙の教科書でも、子供たちが使いたかったら使える どんな教材でも子供が使いたければ使える、という状況を作ることがゴールなのではないか。
・令和6年度については、紙の教科書や教材も大事なはずなので、予算確保をお願いしたい。

○【先導的な実践事例】を全国に広げていくために

・実証授業やモデル事業の成果を全体に広げる際には、対象を絞って考えるべき。
・これまでのものを見ると、「教えやすい」「楽しい」のような主観的な評価が多い。客観的な指標での評価も行ってほしい。
・デジタル教科書・教材を紙媒体の教科書・教材と、どう組み合わせるのがいいのか効果判定をしながら行うと活用しやすいのではないか。


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