OECD生徒の学習到達度調査(PISA)
2018年調査結果が発表されました!
(2019.12)
PISAとは?
OECD(経済協力開発機構)が3年ごとに行っている、学習到達度調査です。対象は義務教育修了段階の15歳児(日本では高校1年生)で、学校での学習内容ではなく、日常生活の中で活用される、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野で調査を実施しています。
日本の成績は?
今回の参加国・地域は79か国・地域(うちOECD加盟国37か国)でしたが、日本は、数学的リテラシーと科学的リテラシーの2分野において、トップレベルを維持しています。
読解力については、OECDの平均よりは高得点のグループに位置しているものの、前回より有意に得点が下がりました。平均得点の長期トレンド(2000〜2018年)で分析すると、統計的な変化は見られない「平坦タイプ」の国・地域に分類されていますが、習熟度レベル1以下の低得点層が有意に増加、習熟度レベル2も増えている一方で、レベル3〜5と判定される生徒は減少しました。
OECD加盟国(37か国)における比較
読 解 力 | 数学的リテラシー | 科学的リテラシー | |
---|---|---|---|
1 | エストニア(523) | 日本(527) | エストニア(530) |
2 | カナダ(520) | 韓国(526) | 日本(529) |
3 | フィンランド(520) | エストニア(523) | フィンランド(522) |
(11) | 日本(504) | ― | ― |
OECD 平均 | 487 | 489 | 489 |
PISAの「読解力」とは?
2018年の調査から、読解力の定義が以下のように変更となりました。(下線部が変更部分)
自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、 社会に参加するために、テキストを理解し、利用し、 評価し、熟考し、これに取り組むこと。
この定義により、本調査では、 ①情報を探し出す ②理解する ③評価し、熟考する という3つの能力が測定されています。
日本の課題は?
日本の生徒の正答率を分析すると、②については安定的に平均点が高いものの、①と③では得点が低く、特に、③の内容として今回の調査から新たに加えられた「質と信ぴょう性を評価する」「矛盾を見つけて対処する」問題での正答率が低い結果となりました。
なお、あわせて行われた「読書」と「国語の授業」に関する調査では、いずれもOECD平均より良好との結果が出ています。