教師の魅力向上と学校における働き方改革を加速するには

教師の魅力向上と学校における働き方改革を加速するには

「令和の日本型学校教育」を担う 質の高い教師の確保のための環境整備に関する 総合的な方策

令和6年5月24日に「「令和の日本型学校教育」を担う 質の高い教師の確保のための環境整備に関する 総合的な方策について (審議のまとめ) 」が発表されました。
教職の魅力向上と優れた教員の確保を目的とし、時間外在校等時間が月80時間を超えている教員をゼロにすることや、小学校中学年への教科担任制拡大、教職調整額の引き上げ、教諭と主幹教諭の間の新たな級の創設、学級担任の義務教育等教員特別手当の加算などを提言しています。
現在は最終的な取りまとめに向けてパブリックコメントを実施中ですが、中央教育審議会でも、これを検討するため初等中等教育分科会(令和6年6月17日/第144回)を開催。様々な立場の委員から活発に意見が出され、踏み込んだ議論が行われました。
そこで、今回は当日の議論の様子をお届けします。

中央教育審議会初等中等教育分科会について

本分科会の座長は、中央教育審議会 第12期の会長でもある荒瀬 克己 独立行政法人教職員支援機構理事長です。座長代理は、奈須 正裕 上智大学総合人間科学部教授と、堀田 龍也 東京学芸大学教職大学院教授です。

今回から、新しく2名の委員が加わりました。
青海 正 大田区立志茂田中学校校長 と内田 隆志 東京都立三田高等学校校長です。
自己紹介にあたり、学校現場の意見を集約、発信していきたいと抱負を述べられました。

審議のまとめ」概略(配布資料1-2)

意見交換に先立ち、「審議のまとめ 」につき、事務局より概略の説明がありました。

本「審議のまとめ」は、中央教育審議会「質の高い教師の確保特別部会」(令和5年6月26日〜/部会長:貞広 斎子千葉大学教育学部教授)において行われた議論を取りまとめたものであること。
また、緊急性の高さから、期中の令和5年8月28日に緊急提言「教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策(提言)」を発表。文部科学省としても、同年9月に、本緊急提言を踏まえた取組の徹底を求める通知を発令したことが冒頭に述べられました。

そして、教育の質の向上の実現という目標のもと、教職の魅力を向上させ、優れた教員を確保することを目的として、学校における働き方改革の加速、学校の指導・運営体制の充実と、教師の処遇改善を一体的・総合的に推進することを提言していることが説明されました。

具体的な内容としては、まず、第1章に「我が国の学校教育と教師を取り巻く環境の現状として、我が国の学校教育が世界トップレベルの成果をあげており、それは現場を支える教師の献身的な取組に依るものであること、第2章に「教師を取り巻く基本的な環境整備の基本的な考え方」を述べています。

(文部科学省ホームページより)

続く第3章では「学校における働き方改革の更なる加速化」として、教育の質の向上のために、学校における働き方改革の更なる推進が必要であることを強調しています。

(文部科学省ホームページより)

そして、今後求められる必要な措置として、第4章に「学校の指導・運営体制の充実」、第5章に「教師の処遇改善」を述べ、国に対し、第6章で「教師を取り巻く環境整備の着実な実施とフォローアップ」の必要を説き、念押しする形で取りまとめられています。

(文部科学省ホームページより)
(文部科学省ホームページより)