個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた学校教育の在り方に関する特別部会(第1回)
(2022.2.7)
○令和4年2月7日に「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた学校教育の在り方に関する特別部会」の第1回目が行われました。
・本特別部会は、「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~」(令和3年1月中央教育審議会答申)を受けて、その具体的かつ着実な実施に向けて、どのような形で条件整備を含めて検討していく必要があるのか議論することを目的としています。
○第1回目の今回は、まず部会長の選任が行われました。
・部会長には、独立行政法人教職員支援機構理事長の荒瀬克己先生が就任されました。
・部会長代理には、堀田委員(東北あ大学大学院情報科学研究科教授、 東京学芸大学大学院教育学研究科教授)金丸委員(フューチャー株式会社代表取締役会長兼社長 グループCEO)が、それぞれ、荒瀬部会長より指名されました。
○本特別部会の主な検討事項は、以下の4点です。
個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実するための、
(1)一人一台端末等を円滑に活用した児童生徒への学習指導・生徒指導等の在り方について
(2)教科書、教材、関連ソフトウェアの在り方について
(3)学校内外の環境整備の在り方について
(4)その他
○検討事項の議論に当たっては、次のような方針が事務局より示されました。
(1)については、デジタル庁等の公表した「教育データ活用ロードマップ」や、昨年閣議決定した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」、さらに、内閣府において議論が進められている「教育人材育成に関する政策パッケージ」等も踏まえながら、多岐に当たる論点を中長期的に腰を据えて議論する必要がある。
(2)については、令和6年度のデジタル教科書の本格的な導入に向け、今年の夏〜秋ごろまでに一定の議論の整理が必要。
・そのため、本特別部会の下に専門的な議論のためのワーキンググループを設置し、教材や関連ソフトウェアも含めた【紙とデジタルの最適な結びつきや活用】に関して、次の検討事項につき集中的な議論を行う。
① 令和6年度からのデジタル教科書の本格的な導入の在り方
② デジタル教科書やデジタル教材、関連するソフトウェアの適切な活用方法
③ その他
(3)については、(1)、(2)の議論ともそれぞれ関わりながら検討を行う。
○意見交換の中で、教科書・教材については、次のような意見が出されました。
・教科書の無償措置法や教科書検定などにつき法制度も含め検討する必要があるのではないか。
・紙かデジタルかという問題ではなくて、選べるというところが大事。AIドリルも含め、その子に合ったものや、その地域・学校を選べるという形にしていくことが個別最適につながる。
・学校でのデジタル教科書の活用の様子をかなり見てきているが、児童生徒個々の思考を深めたり、自分の考えを表現したりしている場面で、有効に活用されている。デジタル教科書は、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向け、寄与できる可能性がある。
・個別最適ということを考えるとき、学習の効率が上がるという観点が重要。一斉指導は、教師の側の指導効率は良くても、学習効率はほぼ最低と言われている。教師の都合とタイミングで教えるという授業から、子供の都合とタイミングで情報にアクセスして学んでいくような、子供が主語になるという教育に転換する必要がある。その際、ICTは圧倒的な道具立てとなる。
・デジタル教科書とデジタル教材の関係、あるいは、デジタル教科書と様々なクラウドツールとの関係については、まだ十分に整理できていない。今後の検討で、より充実した教育のための連携の在り方を整理していかなくてはならない。
また、それにより教育データの利活用が進展し、たとえば、教科書のどの辺でつまずいている子にどのようなデジタル教材で処遇していけばいいかみたいなことについての研究開発、あるいは実践が進んでいくことが重要。
・オンラインであっても良質な教材をしっかり使えるようにすることが重要なので、特に義務教育段階においては、質保証されたデジタル教科書は重要な存在。
そのため、ワーキンググループでの検討においては、デジタル教科書の在り方と、その普及、利活用、子供たちの個別最適な学びや協働的な学びにどのようにこれが資するかということなどを丁寧に見ていくことが重要。