「資質・能力」と学習評価

第25回教育セミナー開催決定!【事前レポート その3】

(2022.3)

(第24回教育セミナーの様子)

第25回教育セミナーの事前レポート、第3弾をお届けします!

教育セミナーとは、一般財団法人 総合初等教育研究所が年に1回開催している研究会です。
全国の小学校教員を対象に、新しい教育課題に対する指導について、実際の授業を通した提案や意見交換が行われる学びの場です。現役の教員が研究員となり、主査(大学の教授・准教授)を中心に現場での実践をベースにしながら進めているのが特長です。
教育現場からの注目度が高く、学習指導要領告示の際には日本中から700名を超える参加者が集まりました。

第11期2年次に当たる今回の研究テーマは「教育課程に基づく授業の展開〜個の変容を捉えた「深い学び」の実現〜」です。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、今年も、インターネットで参加するオンデマンド方式(録画配信)として開催されます。
既に受付を開始しており、現在は、続々とお申し込みが来ている状況とのことです。

前の記事で各教科・領域ごとに行われる分科会の様子をお届けしたのに続き、今回は、シンポジウムと特別講演の内容を事前レポートでご紹介します!

第25回「教育セミナー」(主催:一般財団法人 総合初等教育研究所)

■開催方法:オンデマンド(録画配信)
■配信期間:令和4年3月5日(土)~3月31日(木) 【参加受付は終了しました】
■大会テーマ:「教育課程に基づく授業の展開」~個の変容を捉えた深い学びの実現~

詳しくはこちらから
http://www.sokyoken.or.jp/seminar/seminar.xhtml

シンポジウムのテーマは『「資質・能力」と学習評価』

シンポジウムのテーマは、『「資質・能力」と学習評価』と設定されています。
これは、「深い学び」の実現に向け、評価の基本を改めて振り返る必要があるのでは、というメッセージを含むテーマだそうです。

テーマ設定の詳しい趣旨について、主催する一般財団法人総合初等教育研究所のサイトにて公開中の資料から一部を抜粋してご紹介します。

子供たちに「資質・能力」を身につけさせるためには、確かな目標を設定することはもとより、より効果的で確実に実現させるための指導方法を工夫することが不可欠である。目標と指導の関連性と一体化を図ることがポイントになる。これは、指導と評価を一体化させる前提である。

(中略)

シンポジウムでは、「資質・能力」のより確かな実現を目指して、学習評価に焦点を当てて、議論を展開させたい。
目標と指導と評価の一貫性を図り、学習評価のあり方と具体的な方法を考えることによって、指導方法を改善する視点や方向性が明らかになると考える。
学習評価の目的と方法を検討することで「評価をとおして授業を変える」ことを目指したい。

■ シンポジストは、重層的なメンバーで構成!

シンポジストは、次の先生方です。

●シンポジスト

天笠 茂  先生(千葉大学名誉教授、基調講演者)
清水 静海 先生(帝京大学大学院教授)
渡辺 秀貴 先生(創価大学教職大学院教授、元小学校長)
松井 優子 先生(東京都青梅市河辺小学校副校長)

●コーディネーター

北 俊夫  先生(一般財団法人総合初等教育研究所参与)

人選に当たっては、重層的なメンバーを揃えることにこだわったとのことです。

■ 基調講演では「今後、学校が取り組むべき課題」が明らかに!

基調講演は、千葉大学名誉教授の天笠 茂先生により行われます。
天笠先生は2020年より実施されている新学習指導要領を中心となって取りまとめられた立場から、次のテーマについて論じられるとのことです。

○ 新学習指導要領完全実施による成果
○ 来年度の教育課程編成に向け、今後各学校が取り組むべき課題

各シンポジストからは、基調講演を受けて、それぞれの立場から実施上の課題と、その解決策が提言されることになっているとのことです。

■ 「思考・判断・表現」の観点をどう評価するか?

議論の課題は、学習評価に焦点を当てた、次のような課題が予定されているそうです。

○新しい学習評価の考え方は方法について、特に注目したところは?
・学習評価実施上の課題についても一つずつご指摘いただく。

○「指導と評価の一体化」とはどういうことか?
・それぞれの立場から、具体的な姿の提言をいただく。

○「思考・判断・表現」の観点を評価する具体的手立ては?
・思考力、判断力、表現力といった力がどのように育まれ、それをどう評価するか、具体的な提言をいただく。

さらに、参加者からの質問も交えながら議論を深めていくとのことです。

高所大所から日本の学校教育研究に長く関わってこられた立場から、また、校長や教諭として学校現場に携わってこられている立場からと、幅広い視野から様々なご意見が出されて、他では決して聞けないような深い議論が展開されることが期待できます。

堀田龍也先生ご登壇!!

教育セミナーで毎回とても楽しみなプログラム「特別講演」。
今回は、東北大学大学院情報科学研究科・東京学芸大学大学院教育学研究科 の堀田龍也教授が演台に立たれるとのことです。

講演のテーマは「教育の情報化からデータ駆動型の教育へ」。
データ駆動型とは平たく言えばデータ利活用ということで、学校教育の現場で、これからダイナミックなデータ活用が求められているということを指すとのこと。
教育再生実行会議第十二次提言「ポストコロナ期における新たな学びの在り方について」において、これからの教育が進むべき新たな姿として提示されているのが「データ駆動型教育」です。

(文部科学省ホームページより)

GIGAスクール構想の前倒しによって一人一台端末が実現し、昨年からMEXCBT(機能拡張版)や学習Eポータルの活用も始まりました。
各教科等の分科会で研究を進めてきた中でも、児童の学習状況の見取りに「スタディログ」をどう活用していけるかということが話題になっていたそうですが、教育の情報化は、いよいよ次の段階に進化していこうとしています。

紙と鉛筆で行ってきたことをデジタルに置き換えるというだけでなく、デジタルがあるのが前提となる学校で、何ができるのか。教師も児童も俯瞰して見たときに、どんなことが可能となり、どんな課題があるのか。
管理職も一般の先生方も、また、教育委員会や研究者の先生方にとっても、様々な立場から学校教育に携わる人たちすべてに有用なアドバイスがたくさん提供される、絶対に見逃せない講演です。

なお、特別講演も、もちろんオンデマンド配信となります。
最先端の情報や具体的なアドバイスが満載の講演が、納得がいくまで何度でも見直せるのは魅力的ですね。


第25回「教育セミナー」(主催:一般財団法人 総合初等教育研究所)

■開催方法:オンデマンド(録画配信)
■配信期間:令和4年3月5日(土)~3月31日(木) 【終了】
■大会テーマ:「教育課程に基づく授業の展開」~個の変容を捉えた深い学びの実現~

詳しくはこちらから
http://www.sokyoken.or.jp/seminar/seminar.xhtml

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