全国学力学習状況調査の結果が公表されました!

(2021.9)

8月31日に、文部科学省から、「令和3年度 全国学力・学習状況調査」の結果が公表されました。
昨年度は新型コロナウイルス感染拡大による一斉休校の影響で調査が中止されましたが、今年度は、調査日を例年より1ヶ月後ろ倒しすると共に、後日実施の期間を約1ヶ月間に延長して、2年ぶりに実施されました。

また、今回は、児童生徒質問紙調査について、一部の学校で端末を利用したオンラインによる解答方式で実施されています。

そこで、小学校に関する調査結果の概要をお知らせします。

実施状況

全国の国公私立の小学校計19,038校で、小学校6年生1,060,371人を対象に、5月27日に、全国一斉に実施されました。(一部の学校では後日実施)

■調査対象児童/学校数(集計対象児童数/学校数)

・公立 1,040,907人/18,965校 (994,101人/18,857校)
・国立 6,393人/75校 (4,932人/61校)
・私立 13,071人/240校 (6,567人/120校)
・合計 1,060,371人/19,280校 (1,005,600人/19,038校)

※調査対象児童数は、公立及び国立は調査実施前に学校から申告された児童数、私立は、令和2年度学校基本調査によるもの。
※集計対象児童数・学校数は、5月27日に調査を実施した数。集計対象児童数は、回収した解答用紙が最も多かった教科の解答用紙の枚数から算出。

今回は、103校が後日実施となりました。
また、そのうち、新型コロナウイルス感染症の影響による休校や学級閉鎖を理由としていたのは、42校でした。

調査項目

① 児童に対する調査

国語と算数につき、知識と活用を一体的に問う問題により、学習状況が調査されました。
また、質問紙により、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善に関する取組状況や、ICTを活用した学習状況、新型コロナウイルス感染症の影響等についての調査が行われました。
なお、一部の国立大学附属小学校(51校、4314人)では、質問紙調査を、PCやタブレット等の端末を活用したオンラインによる回答方式で試行的に実施されました。

② 学校に対する調査

主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善に関する取組状況や、授業等におけるICTの活用頻度やICT活用推進に向けた取組の状況、新型コロナウイルス感染症の影響等についての調査が行われました。

教科に関する調査結果概要

全国(国公私)の平均正答数・平均正答率は以下の通りです。

国語算数
令和3年度9.1/14問
(64.9%)
11.3/16問
(70.3%)
(参考)
令和元年度
9.0/14問
(63.0%)
9.3/14問
(66.7%)

問題形式別での傾向を見ると、国語・算数ともに、選択式や短答式の平均正答率は70%以上である一方、記述式での平均正答率が低い(国語40.4%、算数53.2%)という状況にあることがわかりました。

■ 国語

国語では、知識・技能に関する問題が6問、思考・判断・表現に関する問題が8問出題されました。

調査結果のポイントとしては、次の2点が挙げられています。

○新学習指導要領で示された「資料を活用するなどして、自分の考えが伝わるように表現を工夫すること」を踏まえた「話すこと・聞くこと」に係る出題について、資料を用いる目的を理解したり、目的や意図に応じて、資料を使って話したりすることはできている。


○目的に応じて、文章と図表を結びつけて必要な情報を見付けて読むことについて、引き続き課題がある。

知識及び技能に関する出題は全て【言葉の特徴や使い方に関する事項】からの問題で、平均正答率は68.5%でした。

ここでは、例えば「〜は〜より・・・」のように複数の情報を比べる語句など、思考に関わる語句の使い方を理解し、話や文章の中で使うことはできている一方で、文の中における主語と述語の関係や、修飾と被修飾の関係など、語句同士の関わりを捉えることに課題があることがわかりました。
分析では、自分の思いや考えを正確に伝える上で、語の関係性に気を付けて文章を整えることが重要であることがわかるよう指導することが大切であるとしています。

思考力・判断力・表現力に関する出題は、【話すこと・聞くこと】が3問、【書くこと】が2問、【読むこと】が3問でした。

このうち、【話すこと・聞くこと】に係る出題については、資料を用いる目的を理解したり、目的や意図に応じて、資料を使って話たりすることはできている様子がわかりました。

【書くこと】では、自分の考えが伝わるような書き表し方を工夫する点への指摘がありました。
目的や意図に応じ詳しく述べる必要があるか、簡単な方が効果的か、自ら判断できるよう指導することが期待されるとしています。

【読むこと】に係る出題に関しては、「目的に応じ、文章と図表とを結びつけて必要な情報を見付ける問題」における正答率が34.6%である等、他の項目と比べて、課題がある様子が見られました。
図表やグラフなどを含む文章を読む際に、文章中のどの部分と結びついている図表やグラフなのか、関係を捉えて読むことができるよう指導することが大切であるとしています。

■ 算数

算数では、知識・技能に関する問題が9問、思考・判断・表現に関する問題が7問、出題されました。

学習指導要領の領域ごとの対象問題数と平均正答率は以下のようになります。

学習指導要領の領域対象問題数平均正答率
数と計算4問63.3%
図形3問58.1%
測定3問74.9%
変化と関係3問76.0%
データの活用5問76.1%

調査結果のポイントとしては、次の2点が挙げられています。

○速さと道のりを基に、時間を求める式に表すことはできているが、速さを求める除法の式と商の意味を理解することに課題がある。


○「データの活用」の領域について、帯グラフで表された複数のデータを比較し、示された特徴をもった項目とその割合を記述することに課題がある。

平均正答率が最も低かった領域である【図形】においては、三角形の面積の求め方について理解することへの課題と、二等辺三角形を組み合わせた平行四辺形の面積の求め方の記述についての課題が指摘されました。

図形を求める際に、図形を構成する要素等に着目して必要な情報を選び出し、筋道を立てながら面積の求め方が説明できるようになるよう指導することが大切であるとしています。

【変化と関係】では、文中に明示されている「速さ」と「道のり」を基に「所要時間」を求める式を作る問題の正答率が82.5%である一方、「道のり」と「時間」から「速さ」を求める除法の式から、商が「速さ」であり、数値が大きい方が速いことの理解ができていた児童が56.0%と、課題がある様子がわかりました。

速さを比べる場合には、伴って変わる2つの数量の関係に着目し、それらの関係を用いたり、単位量あたりの大きさの意味や表し方を理解することや、単位量当たりの大きさを用いて比較することができるよう、指導することが大切であるとしています。

【データの活用】は、新しい学習指導要領から充実された領域ですが、統計的な問題解決の方法を用いて考察する問題で課題があることがわかりました。
具体的には、棒グラフにおける項目間の関係を読み取ることはできてるものの、帯グラフに表された複数のデータを比較し、示された特徴をもった項目とその割合を記述する問題で、半数近くが正答できませんでした。

身の回りの事象について、データに基づいて判断する統計的な問題解決の方法を知り、その方法を用いて考察できるようにする必要があるとしています。

臨時休業の影響は・・・?

令和2年4月以降の新型コロナウイルス感染症の影響による地域一斉の学校の臨時休業期間は、学校への質問紙調査によると、「50日以上、60日未満」が最も多かったことがわかりました。

<地域一斉の臨時休業等の期間>

10日未満10日以上
20日未満
20日以上
30日未満
30日以上
40日未満
40日以上
50日未満
50日以上
60日未満
60日以上
70日未満
70日以上
80日未満
80日以上
90日未満
90日以上
2.8%6.74.88.221.223.618.664.53.95.6
※短縮授業・分散登校を含み、春季休業を含まない。 ※学校全面再開後に感染者が発生したなどの理由により個別に行われた臨時休業等は含まない。

長期休業から再開した後の対応についての質問では、「授業における学習活動の重点化」を行なったと回答した学校が77.5%、「時間割編成の工夫」が40.4%、「次年度以降を見越した教育課程編成」が35.4%でした。
補習を行なった学校も半数近くあるほか、土曜日を活用したとの回答も2割近くの学校から寄せられており、子供たちの学びの質を保障するため、各学校が懸命の工夫を重ねた様子が浮き上がってきました。
こうした学校の努力もあり、臨時休業中の期間と各教科の平均正答率のクロス集計では、臨時休業の長さと各教科の平均正答率の間には相関が見られませんでした。

児童への質問紙調査から、課題でわからないところがあったときは「家族に聞いた」との回答が約80%に上ることがわかりました。
さらに、臨時休業期間中に「計画的に学習を続けることができたか」「規則正しい生活を送っていたか」という問いに肯定的な回答をした児童が65%であるところからは各児童の学習意欲や家庭環境に左右されることもわかり、今後も続くコロナ禍における学習では、学校と家庭との連携がこれまで以上に重要となる可能性も考えられます。
文部科学省では、今後、保護者に対する質問紙調査などと合わせて、さらに詳細な分析を行う予定です。


▶︎関連リンク

令和3年度全国学力・学習状況調査の報告書・集計結果について
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku-chousa/sonota/1419141_00001.htm

令和3年度全国学力・学習状況調査の調査問題・正答例・解説資料について
https://www.nier.go.jp/21chousa/21chousa.htm

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