【実践】一年間を決める年度始めの学級活動⑴の指導

議題

「どうぞよろしくの会」をしよう

提案理由

進級して二週間が経った。新しい学級になって、まだみんなのことを知らないので、お互いのことを知り友達になりたい。だから「どうぞよろしくの会」を開いて、遊びながらお互いのことを知れるようにしたい。そして、これからの学級生活を仲よく楽しく過ごしていきたいから。

めあて

話し合いの流れを知り、話し合おう

決まっていること 場所/体育館日時/四月二十一日五時間目遊び/一~二個

 第一回学級会では、児童の実態に応じて、次の二点を意識して指導した。

①学級会オリエンテーションと結び付ける
「意見を出し合ったら、比べ合う前に意見を整理するのでしたね」というように、話合いを進めながら、オリエンテーションで指導した内容が体験的に結び付くようにする。

②計画委員会を支援する
 前年度までの経験を生かしながら、司会のフォローをしたり黒板記録を手伝ったりする。その際、児童のよきモデルとして、役割の仕事を示すことができるようにする。

 この二点は、経験を重ねるごとに教師による指導から児童同士の気付きや励ましに変容していくことが望ましい。
 話合いで決まったことの板書と概要は次のとおりである(資料5)。

資料5 実際の板書

どろけい
・警察が泥棒をタッチしたら、牢屋に連れて行く時、手を挙げながら互いに自己紹介する。
・牢屋の中で、泥棒同士で自己紹介。
ドッジボール
・ボールを投げるときに名前を言い、投げたことが分かるように帽子を赤にする。
・投げたくない人は最後に時間をつくって、自己紹介をする。

 一回目となる学級集会では、次の点を意識して指導した。
❶学級集会の目的を確認する
 学級集会が始まるとなると、単に楽しく遊ぶ時間と勘違いしてしまう児童も少なくない。学級集会は、大切な学習の時間であることを伝え、提案理由に立ち返り何のためにこの集会を行うのかを確認してスタートした。
❷次回への実践意欲を高める
 一連の活動を通して、児童の頑張りを称賛するとともに、課題点とその改善方法を考えられるようにして、児童の実践意欲を引き出していく。年度始めに「もっとやりたい」「もっとよくするには」と学級のために思いや願いをもつ児童を育てることが、一年間の豊かな活動に結実する。
 本実践では、多くの役割が学級活動コーナーの画用紙を使い、提示する紙を用意してフロアーに指示を出したり、遊びを通してお互いをよく知ったりすることができた。その反面、時間配分に課題があり、学級集会後の振り返りでも課題として上がった(資料6)。次回に向けて改善すべき点として、全体で確認をした。

資料6 児童の振り返り

おわりに

 年度始めの学級活動⑴の指導について述べてきたが、全てのスタートは、一年間で児童にどのような力を付けさせたいか、年度末にどのような学級集団をつくりたいか、という明確なねらいをもつことである。その上で、教材準備や環境整備、一連の学習過程における意図的な指導を行い、児童が活動の見通しと今後の活動への期待感をもてるようにしたい。それをきっかけに、さらに活動を積み重ねていくことで児童の生活満足度や学習意欲が高まり、児童の豊かな人間関係と楽しい学校生活の構築へとつながっていく。年度始めの学級活動⑴の指導は、その第一歩となることを踏まえ、これからも指導にあたっていきたい。

資料7 特別活動の一連のスパイラル(羽村市教育委員会統括指導主事 佐生秀之氏提供)

(『道徳と特別活動』2024年4月号)