【特別活動主任】特別活動の充実に向けた学期末実践事項

埼玉県坂戸市立南小学校 主幹教諭

稲垣 光司
特別活動主任

 新年度によりよいスタートが切れるよう、前年度一年間の振り返りと新年度一年間の見通しをもつことが大切である。学年末は忙しい時期ではあるが、前例踏襲だけでなく、さらに充実した活動へとつくり替えていく絶好のタイミングである。新年度に向けて特別活動主任としての振り返りの視点や具体的な内容について考えていく。

前年度の振り返り

 学校行事等の縮小・削減が叫ばれているが、特別活動は児童のよりよい成長のためには欠かせない活動である。教務主任等と連携し、授業時間の確保や内容の充実に向けた検討をしていくことが必要である。また、系統生を意識した年間指導計画の見直しや作成も行なっていくことが大切である。

〇委員会活動・クラブ活動の授業時間の確認
〇学校行事の時期や内容の充実に向けた検討
〇学級活動⑴議題例については、集会等に偏らないよう様々な内容が扱えるように計画
〇学級活動(2)(3)は、全ての内容を入れた上で、系統生を考えて計画
〇「キャリア・パスポート」の内容の確認や検討と次年度への引継ぎ

 よい学校生活は児童が中心となり創っていくが、そこには教師の適切な指導が欠かせない。児童の思いを基に、組織を編成することや教師の働きがいにつながる組織の編成について考えていく。

〇児童の思いを基にクラブ活動における新設クラブの設置等について検討
〇児童数の変化に伴う委員会活動、クラブ活動、縦割り班活動等の編成
〇一人に多くの負担がかからないように特活部等の役割についての見直し、検討

「なすことによって学ぶ」を方法原理としている特別活動では、まず実践することが大切である。学校全体で学級会グッズをそろえて活動の充実に向けて実践を行っている学校が多くある。このことは、児童の学年が変わっても同じように行うことができ、経験の積み重ねによる資質・能力の育成において有効な手立てである。さらに、教師もやってみようと思うきっかけとなる。そこで、年度末に行う学級会グッズの点検や検討事項について考えていく。

〇各学級で使うグッズに不備がないか確認
〇発達の段階や実態に応じた言葉、表記の検討
〇中学校区で同じ内容の物を使い、情報交換や内容の検討

年度当初に向けた準備

 職員の異動を伴う年度当初に共通理解を図り、同じ方向性で教育活動を行っていくことはどの学校でも求められることである。年度当初に共通理解を図るための資料作成や研修計画を立てておくとよいスタートを切ることができる。新年度に向けた準備について考えていく。

 年度当初の職員会議では多くの内容が扱われる。その中で、特別活動の意義や具体的な活動計画について共通理解を十分に図ることは難しい。そこで、職員会議資料とは別に「特活だより」として年度当初に確認したい内容を伝えることで各学級が同じように年度当初の学級活動等の活動が行えるようにする(資料1)。年度当初に掲載する内容の例について考えていく。

〇特別活動の意義・活動内容等についての確認
〇学級活動の意義や授業の流れ、特質の確認
〇児童会活動・クラブ活動における教師の役割についての確認
〇学級目標の適切な設定(児童・保護者・学級担任の思いや願いを基に学級担任が設定する)

資料1 特活だより

 教師も「なすことによって学ぶ」ことが共通理解に向けての一番の近道である。意義や理論について確認するだけでなく、実践することで児童がつまずきそうなポイントが分かったり、その際の教師の助言の仕方などを学んだりして理解が深まる(資料2、3)。年度当初に行うことでよりイメージを共有し、実践を積み重ねることで特別活動の充実につながる。さらには、職員間の人間関係形成にも有効であり、特別活動を学校で行う上で重要な手立てと考える。年度当初の研修計画に位置付けておくことが大切である。以下、教職員での学級会の内容について考えていく。

〇議題・提案理由・めあて・決まっていることなど事前の計画が大切
〇司会グループや教師(役)も必要
〇模擬学級会が終わった後、質疑応答・解説などを行うと効果的
〇決まったことは必ず実践し、振り返りを行うことで学級活動⑴のイメージを共有
※基本的には実際の学級会と同じように計画

資料2 職員による模擬学級会
資料3 模擬学級会で決まったことの実践の様子

 ほかの学級やクラブ、委員会の活動場面を見る機会はあまり多くない。そこで、授業の記録をいつでも見て学べるように校内で共有できるようにしておくとよい。また、授業だけでなく事前の準備(計画委員の打ち合わせ等)や事後の活動(実践活動)等も共有することでより具体的な資料となる。

〇いつでも、誰でも見られるように共有の保管場所に保存
〇内容に偏りがないように記録
※日頃の授業を互いに見合う機会の確保も大切

 特別活動主任一人の力だけでは活動の充実は難しい。児童主体の活動であることと組織で取り組むことを念頭に置いて、新年度に向けた準備を進めていきたい。

(『道徳と特別活動』2024年4月号)