
東京都瑞穂町立瑞穂第二小学校 教諭
市川 秀弥
授業実践 第五学年
はじめに
多くの教員が「黄金の三日間」という言葉を知っているのではないだろうか。私も「児童と出会ってからの最初の三日間が一年間を決する」ということを、初任のころから先輩から指導いただいてきた。年度始めに向けての準備や計画は、毎年抜かりなく綿密に取り組むものである。それは、特別活動の指導においても同じことが言える。学校全体では、特別活動の年間指導計画や児童に身に付けさせたい資質・能力など、教員間で共通理解を図って新年度をスタートさせる。学級担任としては、学級の一年間を見通した学級活動の指導計画の作成、教材の準備、環境の整備などが必要である。これらは「黄金の三日間」同様に、一年間を見通して時を逃さず確実に行うことが大切である。本稿では、学級担任の一年間を見通した年度始めの学級活動⑴の指導について紹介したい。
授業実践 第五学年
⑴教材の準備と環境の整備
まず、学級会における教材には次のようなものが考えられる。
①黒板に掲示する表示(議題、提案理由、話し合うこと、話合いの流れ等)
②意見を書く短冊
③賛成、反対、決定のマグネット
④計画委員会のグッズ(役割ごとの表示、活動計画表、司会台本、記録ノート等)
⑤学級会ノート
①があることで、児童の意欲を引き出すとともに、後述する「学級活動コーナー」でも効果的に活用することができる。②や③は、意見の可視化・操作化を考慮した大きさで作成する。掲示するときに見やすい大きさや色を考慮することも重要である。
④は、役割ごとにファイルを分け、それぞれの役割に必要な道具を一つにまとめて入れている(資料1)。こうすることで、特別な支援が必要な児童にも取り組むことが分かりやすくなっている。⑤は、毎回の学級会で貼り貯めるようにし、児童が意見を書いたり話合いを振り返ったりする際に活用する。近年では学習者用端末に記録することも考えられる(資料2)。


また、環境の整備として欠かせない学級活動コーナーは、次のようなものが考えられる(資料3)。
❶議題提案シートと提案BOX
❷次回の学級会のお知らせと学級会後の決まったことの掲示板
❸ペン・のりなどの文房具や画用紙
❹司会の輪番表や年間の学級会年間計画
❺係ポスターや係カレンダーなどの係活動の掲示等

❶を使って児童の思いや願いを集め、議題を選定していく。❷では、学級会前に議題や提案理由を確認したり、学級会後に決まったことを確認したりすることができる。❸は、児童の主体的な活動を促進することができる。使い方を例示し、不要に消費することのないように指導もしている。❹があることで、児童が見通しをもつことができる。また、係活動では❺のような掲示をすることで、活発な係活動が展開されるようになる。学級活動コーナーとは別に、一年間かけて作成する「学級の歩み」も年度始めに準備をしたい。学級集会や学校行事の様子を掲示し、児童が成長を感じたり、学級が準拠集団へと変容したりする一助となる。
年度当初にこのような教材の準備と環境整備をすることで、学級活動⑴における教師の指導の見通しが立ったり、児童の主体的な活動につながったりする。またこれらをベースとして、児童と相談しながら年度の途中に教材の使い方や、学級活動コーナーの掲示が変わることも考えられる。
⑵学級会オリエンテーション
年度最初の学級活動の授業で行う学級活動オリエンテーションの中で、学級会オリエンテーションを実施する。主に、次のような内容である。
①学級会の意義と話合いの流れ
②計画委員会の活動内容
③一連の活動の流れ
④望ましい議題例
⑤議題提案シートと議題BOX
⑥賛成・反対マークの作成
学級会について理解を深めるだけでなく、学級会を通して自分たちの願いや思いを実現できるという、児童の実践意欲や期待感を高めることが大きなねらいである。私は、ワークシートと望ましい議題例を載せた学級会ノートを配布して説明し、先述したように賛成・反対マークを作成するようにしている(資料4)。
その後、望ましい議題例を参考にいくつかの議題が提案された。計画委員会で時期がふさわしいか、創意工夫ができるかなどの視点で議題を整理し、「どうぞよろしくの会をしよう」という議題を学級全員で選定した。





