【「くらべ合う」からの学級会】「くらべ合う」から始める学級活動⑴の指導と板書の工夫

東京都立川市立上砂川小学校 教諭

久良木 優有
授業実践 第六学年

はじめに

 学級会の基本的な流れとしては、「出し合う」→「くらべ合う」→「まとめる(決める)」が考えられるが、議題によっては事前に意見を出し合っておき、本時では「くらべ合う」ことから始める場合もある。 本稿では、「くらべ合う」から始める学級活動⑴の板書について、昨年度担任した六年生の学級会の実践を提案する。

授業実践  第六学年

議題名

「小学校振り返りすごろくをしよう」学級活動⑴ア

提案理由

資料1参照

話し合うこと ①マスの内容を決めよう/②出会ったら何をするか決めよう

 今回の議題では、何について話し合いたいのか学級でアンケートを行った。最も多い意見が「すごろくのマスの内容(思い出)について」、次に多い意見が「友達と同じマスで出会ったら何をするかについて」であった。これを基に計画委員会で話したところ、どちらも話し合うということで意見がまとまった。また、話合いに時間が掛かることが予想されたため、今回は事前に「出し合う」を行い、本時は「くらべ合う」から話合いを行うということが決定した。「くらべ合う」から話合いを行うことには、以下のようなよさがある。

話し合うことを焦点化できる
 事前に意見を出し合っておくことで、意見の分類や共通理解を済ませておくことができる。また、話合いの流れの予想がつくことで、特に話し合うべきことを焦点化することができる。
合意形成するために十分な時間を確保できる
 友達と折り合いをつけて意見をまとめ、合意形成を図る「くらべ合う」は、学級会において重要である。事前に「出し合う」を行っておくことで、この時間を十分に確保することができる。

 普段から私が意識している板書の工夫は次のとおりである。初めから教師が全てを提示するのではなく、児童の気付きをきっかけにして、徐々に学級のやり方が形成されていくようにしている。

資料1  本時の提案理由(左:モニター用 右:学級活動コーナーの掲示)

・議題や提案理由を黒板外の掲示板やモニターに掲示して、黒板を広く使う(資料1)
・意見をまとめたり、いくつかに分類したりできるように短冊を活用する
・文字は短い文で大きく書く
・話合いの過程が分かるように理由を可視化する

資料2 本時の話合い開始時点の板書

・十日前… 計画委員会を開く(司会グループ)
 議題や提案理由の確認、決まっていること、話し合うことの確認を行う(全員)
・一週間前… 学級会ノートに自分の考えを書く(全員)
・五日前… 学級会ノートを基にみんなの意見を短冊に書き出す(司会グループ)
 意見を分類し、学級活動コーナーに貼り出しておく(司会グループ)
・三日前… 出された意見について質問があれば解決する(全員)

 話し合うこと①については、六年間の思い出を振り返るという目的があったため、各学年での思い出が入っていることを確認し、四月から順に行事予定を並べておいた。
 話し合うこと②については、「あっち向いてホイ」のように、集まった人数が条件となる意見があることに気付いた児童がいたため、人数の視点で分類を行った。また、「楽しかったことを言う」とは具体的にどのように行うのかという質問があったため、意見を出した児童が実際に見本を見せた。

●話し合うこと①について
 社会科見学で出掛けた場所の思い出が多く出たため、一つにまとめるということで意見がまとまった。まとめられた意見は、大きく赤い丸で囲われ、まとまりと分かるように可視化した。

●話し合うこと②について
 賛成・反対意見の理由は、短い文でカードに書いて掲示した。反対意見はどうしたら解決できるか案を出し合い、元の意見に条件を足す形で決定した。

資料3 話合い終了時点での板書

おわりに

 学級会の流れや板書の工夫は、児童の実態や議題の内容に合わせて、適宜行っていくとよい。教師の指導の工夫により、児童が自ら考え、話し合って問題を解決する力を育てることができる。現代社会のような不確実性、不安定性、複雑性、曖昧性の時代においては、コミュニケーション能力や、自分たちで問題を解決する力が必要となっていく。今後も児童がよりよい学級生活に向けて考え、課題解決をしていける指導の工夫を行っていきたい。

(『道徳と特別活動』2024年6月号)

ABOUT US
アバター画像
ぶんけい教育研究所 チーム運営者
ぶんけい教育研究所は、株式会社文溪堂の編集部が運営する「主体的・対話的で深い学び」の視点から授業と学習評価の改善に積極的に取り組む小学校の先生を応援する情報サイトです。
投稿記事はこちらから