
東京都町田市本町田東小学校 主幹教諭
阿達 直彦
年計の確認
はじめに
どの教科や領域でも、年間指導計画が作成されている。しかし、特別活動、とりわけ学級活動⑴においては、学級や児童の実態によって議題も変化するため、せっかく作成した年間指導計画が十分に活用されていない実態が見受けられる。
今回は、各学校で作成されている年間指導計画を、自身の学級の指導にどのように生かしていくかを紹介したい。
(1)三月下旬〜四月上旬 児童の実態と年間指導計画のすり合わせ
三月下旬に次年度の担任学年や学級が決定する。この時期に多く行われるのが、次年度担任する学級児童の情報や校務分掌等の引継ぎであろう。これらの作業は、次年度スムーズにスタートするために必要なことであることは言うまでもない。
私はこれに加えて、次年度担任する学年の年間指導計画と、児童の実態のすり合わせを必ず行うようにしている。全学級担任と児童の情報を引き継ぐ際に、次のことを確認するようにする。
・前年度の学級活動⑴(学級会)の経験…単純に経験の有無だけではなく、どの程度自分たちで進行することができるのかも確認する。また、使用していた学級会グッズなども見せてもらい、どこまで児童の手に委ねることができるかを確認しておくことが、スムーズに次年度の学級会をスタートさせることにつながる。
・前年度に話し合った議題…前年度の議題を確かめておくことで、児童がどのような話合いの経験を積んできているかが見えてくる。例えば集会活動が多かった場合は、「次年度は諸問題に気付けるような議題を見付けられるような声掛けを行おう」など、重点的に取り組みたい内容が明らかになってくる。
(2)四月中旬〜下旬 学級会オリエンテーションの実施、話合いから実践
新年度が始まり、新しい学級との出会いい、学級担任との出会い、学習との出会いなど、児童も教員も様々な「出会い」を経験する。この時期に私は「学級会との出会い」も必ず取り入れ、自分たちの力で楽しく、豊かな学級・学校生活をつくっていこうとする意識を高めるようにしている。
必ず行うのが「学級会オリエンテーション」である。これについては、前年度の経験の差はあったとしても、どの学級でも必ず行うようにしている。私が過去に担任した学級の例を見ると、一年生のうちに学級会の経験を積んできた二年生を担任したり、ほとんど経験を積んでこなかった六年生を担任したりすることもあった。本来、発達の段階で言えば、低学年には手厚く、高学年は基本的なことのみを確認する程度でよい。しかし、経験の差で考えれば、これが逆になることもあり得る。いずれにしても、児童が「やってみたい!」という意識を高めることが一番の目的であると考えている。
学級会オリエンテーションで確認することは、以下の内容である。
・そもそも、学級会とはどのような時間なのか
・キーワードは、「自分もよく、みんなもよい」
・どのようなことが話し合えるのか(議題例の提示)
・学級会で必要な役割(司会、副司会、黒板記録、ノート記録など)
・学級会を実施するまでの流れ(議題の選定、計画委員会による進行の確認など)
学級会オリエンテーションが終わると、実際に話合いと実践を行う。私の場合は、第一回学級会の議題は児童と共に選定を行う。「〇年〇組よろしくねの会をしよう」になることが多い。学年が進級することで、新たな学級の生活づくりの基盤となる議題であり、児童も自分事として捉えやすいことが要因の一つであると考えている。また、本校は小規模校で単学級の学年が多いが、その場合も有効な議題である。
計画委員会は、最初は教師も一緒に入って進めるようにするが、把握している児童の実態や児童の様子によっては、その入り方も変わってくる。自分たちである程度進行できると判断した場合は、一回目であっても見守りの姿勢を意識するようにする。実態によって柔軟に自治的範囲を見極めることにより、児童は「自分たちの力でできた」「次もやってみたい」という意欲を高めることができる。これは実際の話合いの場においても、同様のことが言えるのではないかと考えている。
おわりに
年度末から年度始めは、教師はやることが非常に多く、忙しい。しかし、少しの手間をかけて特別活動の準備もこの時期に行うことにより、次年度受けもつ児童が、自分たちの力でよりよい生活をつくっていこうとする意欲が大きく高まると考えている。一から全てをつくるのではなく、既に学校で作成されている年間指導計画を活用しながら、児童の思いや願いを大切にした活動を共に考え、実践できるようにしていきたい。
(『道徳と特別活動』2024年4月号)




