【データ整理】次年度へつなぐ道徳教育のデータ整理―今から始める次年度の準備―

熊本市立帯山西小学校 教諭

長谷川 郁弥
データ整理

はじめに

 本校では学校教育目標「豊かな心で主体的に活動し、みんなが『わくわく』する学校創り─子供たちが帯西レンジャーと共に活躍する学校─」の実現に向け、道徳科と特別活動を中心に据え、「心」と「行動」の響き合いのある児童の生活づくりを目指している。
 そこで、努力目標を道徳のA~Dの視点に対応させて「🄐目標をもって努力し、🄑仲間とともに高め合い、🄒みんなのために進んで働き、🄓よりよく生きていこうとする子供の育成」としている。これを受けて各学級の合言葉にも「四つの心」を活用している。例えば私の学級では、「🄒クラスのためにみんなで働くよ🄑一人一人を大切に🄐よさをどんどんのばして🄓『よろこび』あふれる4の1」としている。学校の共通の指標である「四つの心」は道徳の授業の中だけでなく、様々な体験や学校行事なども含め日々の生活の中でも自己の成長を確かめるための振り返りの視点として活用している。
 今回は、道徳教育をさらに充実させていくために、来年度に向けて準備しておきたいことを紹介する。

実践 道徳科のデータ整理

 毎週の道徳授業で使う教材文の挿絵は、事前に準備してあると便利である。そこで、挿絵を印刷したものにラミネートをかけ、裏に磁石を貼り教材ごとにクリアファイルにまとめておく。各学年で一度準備しておくと、次年度以降も教科書が変わるまで長く使うことができる。
 さらに、次年度からは板書の写真も一緒に保管しておくように考えている。そうしておくことで、大体の流れをつかむことができ、授業づくりの参考にすることができる。

 本校の道徳教育全体計画別葉は、道徳科、特別活動の年間指導計画に加え、各教科、総合的な学習の時間の中から重点的に指導する内容項目に関わるものを特にピックアップし、一枚のシートにまとめている。これらを年度当初に作成し、実践しながら変更点や気付きを朱書きし、次年度の計画作成の際に活用するようにしている。計画を作成して終わりではなく、次年度を見越して修正をしていくことで、よりよい教育の展開につなげていくようにしている。
 また、今年度は特別活動、道徳科の授業での学びを、学びの足跡として名刺サイズのカードにまとめ、「四つの心」ごとに分類し、全学級で教室掲示している(資料1、2)。これまでの学びや、学びの積み重ねが視覚化され、児童にとっても、教師にとっても、道徳教育での学びを実感できるようにしている。今年度の学びを参考にしつつ、来年度さらに充実させていけるよう写真に残すなどして活用を図っていくようにしたい。

資料1 道徳教育の学びの足跡
資料2 学びの足跡の記述

 今年度、道徳の授業づくりをしていく中で意識したことの一つに、系統性がある。例えば、現在使用している教科書では、中学年のB[友情、信頼]の教材は全部で四つ(補助教材を含む)ある。それぞれの時間に、B[友情、信頼]の中でもどこに重点を置くのか明らかにした授業づくりが求められる。そこで、一年生から六年生までの教材を内容項目別に並べ、主題名と共に一覧にしておくことで、本時で学ぶべき内容がより焦点化された授業を展開できる。このような内容項目別の一覧表を作成し、次年度はさらに充実した道徳科学習が展開できるようにしていきたい。

 全学級において共通実践が図れるように、道徳科では「見つめる心」(主題名)と「自分を見つめて」(本時の振り返り)を示す札を配付し、活用している。
 また、「四つの心」のうち、どの心について考えていくのかを学校のキャラクターに意味付けして示す「帯西レンジャーカード」、内容項目を子供たちにとって分かりやすい言葉に直し、一つにまとめた「心のパズル」の中から、ねらいとする道徳的価値に注目できるようにする「心のパズルのピース」も作成している(資料3)。このようなグッズを各学級にそろえておくことで、めあてと振り返りを確実に実施し、ねらいとする道徳的価値と、それに関連する道徳的価値を視覚的に示すことができるようにしている。
 また、全ての教育活動において道徳教育が意識できるよう、「帯西レンジャー」(学校のマスコットキャラクター)シールやスタンプなども各学級に準備している。校内研修の際には、どのような活用の仕方をしたのか交流し合い、よりよい活用法の在り方を探求している。次年度に向けてこのようなグッズの点検、修正を行い、今後も活用できるようにしていきたい。

資料3 「心のパズルのピース」

おわりに

 年度末は何かと忙しく、つい終わったことはそのままにしてしまいがちである。しかし、ひと手間加えるだけで次年度のスタートをスムーズに切ることができる。今回、年度末にしておきたいことを整理したことで、これから取り組んでいくべきことが明らかになった。このことは、これまで積み上げてきた実践を継続しさらに発展させていくことにつながっていく。来年度に向けて余裕をつくるためにも、今できることを少しずつみんなで実践し、新年度を気持ちよく迎えられるようにしたい。

(『道徳と特別活動』2024年4月号)