
埼玉県上尾市立大石北小学校 教諭
湯淺 啓太
学級担任
年度末は慌ただしく、授業を振り返れずに次年度を迎えることも少なくない。忙しい三学期だが、その中で次年度の道徳授業へ向け、学級担任として行っている取組を紹介する。
⑴心を揺さぶる導入アイデア
導入で児童への事前アンケート結果を提示することがある。児童の実態から問題意識をもたせるためたいへん効果的である。しかし、毎回児童アンケートからの導入では児童のやる気は低下し、授業も形式的なものになってしまう。そのため、様々な導入を次年度に向けて今から準備しておきたい。アイデアは日常の中にあふれている。私が意識する点は「①身近な話題」「②思わずクスッとなり、肩の力が抜けるもの」の二点である。例えば、二〇二四年はパリオリンピックを取り上げた。ほかにも「本当の親切は何か」を考える授業の導入では「友達の歯に青のりが!みんなだったらどうしますか」と児童に投げ掛けた。すると「相手に言うべきか、言わずにいるべきか」と自然と議論が起き、楽しい雰囲気で授業を始めることができた。
⑵別葉と「二十二の心」
三学期は年間指導計画と別葉の見直しを行うが、別葉を作成してもうまく活用できず、私自身も悩んでいた。道徳は教育活動全体を通じて行うものだが、児童にとって道徳は週に一時間だけ行うものという認識が強い。その差を埋めるため、札幌国際大学准教授の安井政樹先生の取組を参考に、「大切にしたい『二十二の心』」を作成した。道徳授業ではもちろん、行事や日常の教育活動の中で「どのような心が育ったかな」と、一緒に振り返るなど活用した。児童自身も自然と内容項目について考えるようになり、道徳がより身近に感じられたようだ。別葉の見直しと一緒にこういった掲示物の作成や四月のオリエンテーション準備をしておくことで、一年間の道徳授業がよりよいものとなるはずだ。
⑶掲示で児童と教師自身の成長へ
毎時間の授業をまとめ、掲示することで児童が授業を振り返ることができる。さらに、もう一つの目的が授業改善、授業力向上である。時間が経つとその授業の流れが思い出せないことがあるが、授業ごとの振り返りがあると「この板書はもっとこんな工夫ができたな」「もっといい発問があったはずだ」と、自分の授業の振り返りができる。授業をしてそのままにせず、掲示物を作成して年度末にもう一度見直すことが授業力のアップデートにつながり、四月からの道徳授業でよいスタートが切れるはずだ。
●年度末カレンダー

(『道徳と特別活動』2025年2月号)




