【評価】道徳科の評価について

授業実践 第一学年

実践事例による評価の一例
 児童の学習状況の評価を行うにあたって大切なことを整理すると、第一に道徳科の特質を踏まえた授業の実施を目指すこと、第二に児童の表現だけに頼らない評価を心掛けることである。道徳科の評価は他の児童との比較による評価や目標への到達度を測る評価ではなく、一人一人の児童がいかに成長したかを積極的に受け止めて認め、励ます個人内評価として記述式で行われる。私自身、評価を行うときには、道徳科の特質を踏まえた授業とその授業の中での具体的な児童の様子を記述するように心掛けている。以下に、実践授業による評価の一例を示す。

主題名

わがままをしない A[節度、節制]

ねらい

よく考え、わがままをしないで生活しようとする態度を育てる。

教材名 かぼちゃのつる(文部科学省『わたしたちの道徳』)

 よく考え、わがままをしない規則正しい生活が自分にとって大切であり、自分や他の人の快適な生活を守ることにつながるよさを考えさせたい。

 児童にわがままをする側とわがままを注意する側の両者の気持ちを考えさせることにより、多面的・多角的な思考を促す。

●授業記録
T 蜂やあり、すいかや犬はどのような考えから、かぼちゃに注意をしたのでしょう。
C1 こっちにつるを伸ばさないでほしい。すごく嫌な気持ちがする。みんなが困る。
T 嫌な気持ちになって、みんなが困っていますね。みんなとは、誰のことでしょう。(ペアで話し合う)
C2 蜂やあり、すいかや犬。
C3 ほかにも、この道を使いたい人も困ると思います。
C4 人間が通れなくても困るし、かぼちゃの葉が落ちたら掃除をしないと大変。
T そっか。たくさんの人が困ってしまうのですね。
C5 (発言をしている児童を向き、うなずきながら考えている)
T C5さんは、友達の話を聞いて考えていますね。(中略)自分自身の生活を振り返ってみましょう。わがままをしないでよかったと思ったことは、どのようなときですか。
C6 休み時間に友達と鬼ごっこをして遊んでいたけど、時間になったから遊びをやめた。授業の始めに間に合ってよかったと思った。

評価の一例①(C5への評価)
 節度、節制の学習では、わがままをしない規則正しい生活は自分や他の人の快適な生活を守ることにつながることを考えました。わがままな行動が周りの人を困らせてしまうことを考えました。友達と相談したり、友達の考えをうなずいたりして聞いている姿が見られました。

評価の一例②(C6への評価)
 節度、節制の学習では、教材から離れて自分の生活を見つめる場面では、時間を守ることの大切さについて考えていました。遊びたかったけれども、遊ぶ時間を守り、次の活動ができたときの思いを振り返りました。「ずっと遊びたかったけれど、遊びをやめてよかった」と、わがままをしないで規則正しい生活のよさを考えていました。

おわりに

 道徳科の授業には、教師の意図とそれを実現させるための学習方法の工夫、そして、児童の学習状況の様子を把握することが必要である。私自身、当初は発言やワークシートの内容の把握が多かったが、現在は、児童の表情やつぶやき、また、ペアでの話合いや板書された考えを基に更に話合いを重ねることなどを意識している。このような活動を工夫し、今後も児童にとって認め励ます評価の在り方についての実践を重ねていきたい。

(『道徳と特別活動』2024年10月号)