不登校対策の「目指す姿」とは?

全国の不登校児童生徒が過去最多となっていることが、文部科学省の行った調査により明らかとなりました。
これを受けて、永岡文部科学大臣より「不登校対策の検討にあたっての方向性(目指す姿)」が発表されました。
そこで、小中学校における不登校の現状と、対策の方向性についてお伝えします。

不登校児童生徒の現状は?

文部科学省の調査によれば、義務教育段階で不登校となっている児童生徒が24万人を超え、過去最多を更新したことがわかりました。
この人数は、10年前と比べると2倍以上となります。

(文部科学省ホームページより)

校種別で見ると、小学校は全体で81,498人と中学校の約半分の人数ですが、小学校だけで比べると、一年前より約2万人も増えていることがわかります。

不登校の要因・背景は?

不登校の要因について、選択式で行われたアンケート調査では、「無気力・不安」を選んだ児童生徒が約半数でした。
ただし、その「無気力、不安」などを生み出したものが何かについてまでは、調査結果からは明らかになっていません。

(文部科学省ホームページより)

また、不登校となり始めたきっかけについて複数回答式で問うアンケート調査において、「学校に行きづらいと感じ始めたきっかけ」として最も多く挙げられたのは「先生のこと」で、小学校では29.7%の児童が選択していました。
が、他にも、「身体の不調(学校に行こうとすると、お腹が痛くなった。など)」「生活リズムの乱れ」「友達のこと」などを選択した児童生徒もそれぞれ25%以上、さらに、25.5%の児童は「自分でもよくわからない」と回答していました。

(文部科学省ホームページより「不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書」令和3年10月)

上記の調査結果を見ても、不登校となり始めるきっかけは多岐に渡り、単純に測れるものではないことが伺われますが、大きく「学校生活」と「身体の不調・生活リズム」の2つに整理すると、約8割の児童が「学校生活がきっかけ」と回答していることになります。

(文部科学省ホームページより「不登校児童生徒の実態把握に関する調査報告書」令和3年10月)